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【 絶対、俺の方がセンスある! 】『牛屋HikoBer』の店舗用POP制作で社内コンペ!
ここはMI.INCのオフィス…。
笠間「いや〜今日も寝てる間に1日が終わっちゃった!お腹も空いたし、そろそろ帰るか!」
外井「お疲れ様でした。私は仕事が残っているので、少し残ります。」
笠間「安い役員報酬でよくも働くもんだぜ、このマゾ野郎!…んっ、どこからともなく良い匂いがしてきたぞ!」
外井「本当ですね。」
笠間「匂いの出処を突き止めたい!さあ行くぞ!」
外井「まだ仕事があるんですが…。」
笠間「いいからいいから!」
歩くこと60分…。
笠間と外井はMI.INCのオフィスから匂いの元を辿って、約3Kmの道のりを徒歩で移動した。
寒波が押し寄せる福島の夜は、二人の体力と体温を急激に奪っていった。
笠間「ウワー、ぼくもうだめだ、疲れちゃった。悪いけどタクシーに乗って帰宅するから、外井さんはオフィスに戻って仕事してよ。」
外井「は、はあ。」
笠間「な、なんだこの眩しい光は?!…『牛屋Hiko Ber』。匂いはここからきているようだ!」
外井「どうやらそのようですね。入ってみますか。」
笠間「たのもー!郡山市桑野5丁目でナンバーワンのweb制作会社、MI.INC代表の笠間がきましたよ!」
外井「…(ずいぶん限定された範囲のナンバーワンだな…。)」
渡部「いらっしゃいませ、『牛屋Hiko ber』へ!2名様でよろしいでしょうか〜?!」
笠間「ん、構わんよ。」
渡部「ではあちらのお席へどうぞ〜!」
笠間「なんだかやたらテンションが高いなぁ、ぼく、こわいよ。」
渡部「どうされたんですか〜!ほら、あちらのお席へ!」
笠間・外井「…。」
ゆっきー「どうしたんですか、マスター。」
渡部「こちらのお客様、なかなか席に座っていただけなくて。」
笠間「あっ、美人で普通のテンションっぽい店員さんが出てきた!良かった〜!」
ゆっきー「ではあちらのお席へどうぞ〜!」
笠間「えっ。」
ゆっきー「あちらのお席へお座りくださ〜い♡」
笠間・外井「…。」
オーダー
渡部「ご注文はいかがなさいますか?」
笠間「そうだなぁ、初めてでよくわからないしテキトーにジャンジャン持ってきちゃってよ!」
渡部「かしこまりました!」
10分後。
渡部「お待たせしました!どうぞご賞味ください!」
笠間「どれもこれもすごく美味いじゃない!中卒グルメデブの外井さん、どう?!」
外井「とても美味しいです。」
笠間「特にこのビッグフランク、デラ美味いけど自家製かね?」
渡部「そうなんです!最近販売を始めたんですが、すごく好評なのでお持ち帰り用も作ってしまいました!」
笠間「なるほどね。聞いて驚かないで、ぼくたち広告のデザイナーなんだ。今回この大きなビッグフランクを食べさせてもらって、とても感銘を受けたの。」
笠間「そんなわけでお持ち帰り用ビッグフランクの店内設置型POPを作るから、お金ください。」
渡部「はい、よろこんで!」
外井「ちょっと、マスター!簡単に応じちゃだめですよ。そこそこお金がかかるので、見積りを出します。それをご覧になってじっくり検討してください。」
カウンターの男「イインダヨ!」
外井「だ、誰ですかあなたは。」
カウンターの男「名乗るほどの者ではないんダヨ!マスター、人生一期一会ダヨ!デザイナーさんに広告作ってもらいなョ!」
渡部「はい、よろこんで!」
MI.INC社内コンペ開始
カウンターの男「では、今回のルールを簡単に説明しよう。デザイナーの2人には制限時間30分以内で各自2パターンずつ、ビッグフランクの店内設置型POPを制作してもらうョ。」
カウンターの男「勝敗の決め方は至ってシンプル。マスターが気に入ったデザインを作った方が勝者ダヨ。」
カウンターの男「敗者は本日の飲食代をすべて負担するという罰ゲーム付き。」
出場者

笠間ヒロシ
使用PC:VAIO (OS:Windows XP)
使用アプリ:photoshop、illustrator、Facebook
コメント:「宇宙がどうやって出来たか知ってるかい?神様っていう偉大なデザイナーがレイアウトしてくれたのさ。ぼくはその意志を受け継ぐ者だ。」

外井ユータ
使用PC:最新型Macbook Air(OS:OS X Yosemite)
使用 アプリ:photoshop、illustrator
コメント:「やるからには、勝ちたいですね。」
ゆっきー「それでは、スタート!」
笠間「とりあえずFacebookでもチェックするか。お、これから音楽家の金蔵さんがエルマールで生演奏!一回行ってみたいんだよなぁ!」
笠間「『Cafe LoversLeap』でイチゴ味のメレンゲクッキーだって!美味しそうだなぁ。明日行ってみるか!」
笠間「軒名さん、またデニーズにいるじゃない!よっぽど好きなんだなぁ!アハハ!参考までに。」
ゆっきー「残り、10分です。」
笠間「やっべ、Facebookに夢中になってアートボードは真っ白なままだ…。」
カウンターの男「彼は小学生の頃も夏休みの宿題をやらずに、最後の日に親と泣きながらやっていたタイプと見たョ。」
笠間「ねぇ〜外井さ〜ん、どんなの作ってるか見せてよ〜!」
外井「人のはいいから、自分の作品に集中したらどうですか。」
笠間「相変わらずケチだなあ!見せる気ないなら高速で移動して、意地でも見てやるからな!」
外井「…。」
ゆっきー「残り、30秒です。」
笠間「さて、始めるか。」
ゆっきー「残り時間10秒前!…5、4、3、2、1、0…終了〜!」
笠間「完成さ。」
外井「ギョギョギョ!たったの30秒という短い時間の中で、文字のタイピングからレイアウト、画像の補正まで終わらせたっていうのか!」
外井「しかもかなり古い型のノートPCだし、OSはサポート終了したXP!アプリを複数立ち上げて作業していたら、かなりの重さになるはずだ!」
外井「一体どんな手を使ったっていうんだ…。あるいは…彼は…。」
渡部・ゆっきー・カウンターの男「神の意志を受け継ぐ者…。」
審査タイム
カウンターの男「それでは審査に移ろう。公平を期すため、どちらがどのPOPを制作したかは伏せて審査を行うものとする。
判定はもちろん彼に一任ダヨ。マスター!」
デザイン案1
デザイン案2
デザイン案3
デザイン案4
渡部「う〜ん、どれも良くて決められない…。」
渡部「どうしよう、ずっと見ていたら眠くなってきちゃった。」
渡部「とりあえず眠け覚ましに鼻をほじって…。」
渡部「収穫した作物を、耳に貯蔵しよう。」
外井「ウウッ…。(久しぶりに良い肉を食べ過ぎたせいか、腹が痛い…。)」
外井「審査の途中で申し訳ないのですが、お手洗いをお借りします。」
笠間「…。(チャンス到来〜♪)」
笠間「マスター、かなり迷っているね!自分が作ったことは一旦忘れて、客観的な視点で一緒に選んであげようと思うんだけど!」
渡部「はい、よろこんで!」
笠間「そうだなぁ〜、結構悩んじゃうけど…これなんていいね!商品名が英語だし、イケてるよこれ!」
渡部「わぁ〜、言われてみればたしかに英語ってかっこいい!」
笠間「もう一枚選ぶとすればこれかな。日本語で書いてあってわかりやすいじゃない!だってここは日本だもの。」
渡部「あっ、周りには日本語使う人が多いなぁと思ってたけど、ここは日本だからなんだ!納得です!」
笠間「…。(やった!ぼくはこの手口で代表取締役の座に上り詰めたんだ!)」
渡部「じゃあこの2つを裏表で1枚ずつ使って、POPにしたいです!」
笠間「…ゆっきー、ゆっきー。」
ゆっきー「は、はい。なんでしょうか?」
笠間「マスターが選んだのは誰の作品なのか、気になるでしょ。ほら、わかるよね。せーの…。」
ゆっきー「そ、その2つは、誰の作品なんですか?!」
笠間「意外だと思われるかもしれないけれど、実は2つともぼくの作品なんです。」
結果発表
カウンターの男「勝者、笠間ヒロシ!」
笠間「イェーイ!」
渡部「おや…、笠間さんの身体から奇妙な臭いがしますよ。」
笠間「ちょっと、何するんだい!」
渡部「動かないで!クンクンクン…ツーンと香る。」
笠間「変なこと言わないでくれよ!ぼくのイメージが下がる!」
渡部「笠間さんも嗅いでごらんなさい。」
笠間「どれ、クンクンクン…ウッ、ほんまや…。」
渡部「牛屋HikoBer特製の制汗スプレー、差し上げますね。」
敗者の罰ゲーム
外井「申し訳ありません、今戻りました。」
カウンターの男「あなたは敗者となりました。飲食代をきっちり払うんダヨ。」
外井「えっ!そうなんですか?!…でも負けは負けだ、仕方ない。支払います。おいくらですか?」
渡部「5,000円ちょうどです。」
外井「そうですか。今日は持ち合わせが少ないので、申し訳ないですがこれでお願いします。」
渡部「えっ、こんなに?!1、2、3………9万円もありますよ!」
外井「お釣りは要りません。カウンターの方の分もそこから出してあげてください。それでも余るなら…そうだな。」
外井「お見受けしたところ、マスターの左手薬指には指輪が光ってます。ご結婚されているんですね。奥さんやお子さんと一緒に、美味しいものでも食べてください。」
渡部「そ、そんな…。いいんですか?」
外井「もしもそれが失礼に当たるなら、恵まれない世界の国々への寄付金として使ってもらえますか。」
カウンターの男「どうやら我々はひどい勘違いをしていたようだ…。そうだ、彼こそが本物の…。」
渡部・ゆっきー・カウンターの男「神の意志を受け継ぐ者…。」
外井「それではまたお会いしましょう。とても美味しかったです、マスター、ゆっきーさん。」
笠間「チ、チクショー!なんてかっこいいやつなんだ!姑息な手段を使ってまで勝ちにいったぼくが、これじゃああまりにも惨めじゃないか!」
外井「どうしたんですか、社長。もう閉店の時間なのでそろそろ帰りましょう。」
笠間「どこまでもクールなやつだ!お前みたいなやつがいると、相対的にぼくがいやらしい人間に見えてしまう!お前はクビだ、クビ!」
外井「…社長、もうやめましょう。本当は私がトイレに行ってる間、あなたが何をしていたか知っているんですよ。」
笠間「な、なんだって?!」
外井「数年前、今は倒産してしまったあの会社で我々が出会った当時、社長の心はもっと澄んでいたはずだ。」
外井「ただひたすらに、理想と夢を追い求める無邪気な子どものような人が、今では金銭と地位を追い求める欲望の権化になってしまった。」
笠間「…ぼくが汚い手段を使って勝ったことを外井さんは知っていた。その上で知らないふりをして負けを認め、金を支払ったっていうのか…。」
カウンターの男「二度までも我々は勘違いをしていたようだ…。そうだ、彼こそは…。」
渡部・ゆっきー・カウンターの男「神そのもの…。」
笠間「うわああああああ!ぼくは…ぼくは…どうすればいいんだ…!」
外井「『人には失敗する権利がある。だがしかし、それには反省と言う義務が付く。』」
外井「私が尊敬する自動車メーカーHONDAの創業者、本田宗一郎氏の言葉です。失敗したことよりも、反省して次に生かすことが大事ですよ。」
笠間「ありがとう、ありがとう…。」
外井「私たちは分かり合い、許しあえる仲間なんだ。そう、それでこそ…。」
笠間・外井・カウンターの男「WE ARE マイノリティイノベーション!」
笠間「関係ない人混ざっちゃったよ!」
THE END.
最後まで読んでくれた読者の皆さん、ありがとうございます。
ぜひ『牛屋HikoBer』に足を運んでみてくださいね。
店舗情報
スタッフ一同「ご来店、お待ちしてま〜す!」
住所:〒963-8863 福島県郡山市菜根屋敷416-1 柳ビル
電話:024-973-7997
営業時間:17:00~00:00
定休日:月曜
HP:http://www.hotpepper.jp/strJ001109708/
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